元子ども英語講師のきょんです。赤ちゃんとママクラスを多く担当していて、イベントなどを含めると、数百組の親子に英語レッスンを行いました。その頃から家庭での英語や、英語教室について勉強していることをまとめて記事にしています。
以下のようなお父さん、お母さんに向けて記事を書いています。
- 赤ちゃんの頃から英語をやらせてみたいけど迷っているという方
- 言葉(母語の日本語)が育つ時期に英語で語りかけをするべきか迷っている方
まず、英語教室ではどのようにアドバイスされているか、みていきます。
赤ちゃん向けの英語教室・レッスンでアドバイスされること
私自身が勤めていた大手英語教室(全国に教室あり)では、0歳児~1歳児(2歳になるまで)のクラスでは、教材の一つに、簡単な語りかけフレーズが載っている保護者向けのテキストがあります。
レッスンでも、実際に保護者の皆さんといくつかのフレーズを練習して、「家でもCDをかけ流したり、声かけしてみてくださいね」とお願いをしていました。
他の英語教室でも、赤ちゃん対象のクラスでは家庭での語り掛けを推奨している教室が多いです。
そこで出てくる疑問が「発音が悪く、英語ができない親の私が、英語で語り掛けるべきだろうか・・?」ということ。
これに関しては、このようにお答えしていました。。
英語が得意ではないお母さんが話しかけることに関しては
「CDのネイティブの英語も大事だけど、赤ちゃんはママの声が大好きですよ!CDやテキストを頼りに言ってみるだけでいいですよ、語りかけを楽しみましょうね。」と励ましていると思います。
発音に自信のないお母さんには
「子どもは正しい英語の発音をきちんと取り込める能力があるため、基本的にはネイティブの正しい英語をCDやDVD、レッスンでたくさん聞いていれば正しい発音を身につけていきますよ。」とこたえている教室が多いと思います
日本語が育つ時期に英語も一緒に学ぶと混乱しないかという質問には
「ご両親が英語で会話し、一日中英語での語りかけや、CDの聞き流す…といった特殊な環境でない限り、一時的に言葉が混ざるかもしれませんが、問題ないですよ」と答えます。
家庭での英語の語りかけはいらない?!むしろ悪影響?
一方で、もしお父さんお母さんが英語に自信がないのであれば、家庭での語りかけは行わないほうがよいと説いてる専門家もいます。
例えば、七田式に影響を受けている「パルキッズ」(英語教材)の船津洋氏の書籍では、英語の語りかけはCDに任せることをすすめています。
「親が英語ではなしかけるとよいか」という質問には…
「NO。入力の質に問題が生じる可能性大」と答えています。
親の語りかけは英語の「誘い水」となり、子どもから英語の出力を導けます。親がバイリンガルでなければいくつか問題があります。乏しい語彙と不正確な文法だと、挨拶や単語のやりとりばかりになりがちです。発音の問題は極めて重大です。
出典:10万組の親子が学んだ、子どもの英語「超効率」勉強法 船津洋著
船津氏は、親の語りかけを完全には否定しておらず、コミュニケーションの道具としては〇と言っているのがわかります。
0歳児や1歳児の赤ちゃんに話かける言葉や表現は限られています。
もう少し大きくなると英語が不得意なお父さんお母さんには難しくなるかもしれませんが、赤ちゃんのうちは、あいさつや誉め言葉、~しようね。くらいの語りかけになりますよね。
有名なパトリシア・クールの研究でも明らかになっているように、赤ちゃんが言語の音を学習する際には、生身の人間の関わりが必要です。DVDやCDの音だけでは不十分なのです。
※パトリシア・クールの研究については、ナショナルジオグラフィック日本版のサイトがわかりやすくまとめてくれています。
赤ちゃんのうちは、お父さんお母さんが自信を持って言える、簡単な英語フレーズで語りかけるのは、英語学習には◎だと言えます。
また、「おうちえいごくらぶ」という名古屋市の英語教室を主宰、二人の子どもをバイリンガルに育て上げた英語専門家の小田せつこさんは、0歳児からの英語での語りかけについては以下のように説いています。
英語は「言語」だということを子どもに伝えるためには、英語の語りかけを多少取り入れることはよい。
中略
ママの語りかけ=英語のインプットの全てにはなりませんから、発音の良しあしはそこまで重要ではありません。
中略
英語での語りかけには1つ注意があります。この時期のベビーにとっては、英語よりも、まずは親子のコミュニケーションが大切です。ですから、簡単なフレーズでいいので、しっかり心を込めて話しかけてあげましょう。
語りかけフレーズ集を片手に、上の空で話しかけるのは控えましょう。
出典:子どもの未来を広げる「おやこえいご」小田せつこ著
CDやDVDの英語の音に加えて、一番好きなお父さんお母さんが話しかけてくれる「言葉(英語)」を日常的に少しだけでも取り入れていくことは、赤ちゃんの英語の習得に役立ちそうです!
その際は、心と愛情を込めて語りかけをしたいものです。
英語の語りかけには抵抗がある・・難しいという方は歌!おすすめのCD
英語では話しかけるのはどうしても抵抗があるという方でも、歌はいかがでしょうか。
上で紹介した小田せつこさんの書籍にも、ベビーには英語の歌やライムを取り入れることを推奨しています。
家庭での英語の語りかけ、話しかけフレーズ集や、英語の歌のCDは楽天やアマゾンで検索するとたくさんヒットしますが、0歳児さん向けであれば、私はこちらのCDをおすすめしています。
「0さいからのえいごシャワー」
理由は、1枚のCDにたくさんの英語わらべ歌(マザーグース)に加えて、0歳児さん生活にあわせた日常生活のフレーズもところどころに収録されているから!
語りかけフレーズをわざわざ勉強して覚えなくても、赤ちゃんと一緒にCDを聞いているうちに、歌も英語フレーズも頭に入るので、忙しいママたちに本当におすすめです。
ちなみに、もう少し大きくなってからでも聞きたい上質な英語のおすすめCDはこちら↓
家での英語語りかけに「絵本」を加えるともっと効果的!
英語語りかけだけで英語環境を作るのは、やはり長期的にみると難しいようです。
大きくなってくると、露骨に子どもが英語で話しかけられるのを嫌がりますし、使う日常会話のレベルも上がってきて、お父さんお母さんも大変に…。
そこで、小さいうち(0歳からでも)から「英語絵本」に慣れ親しんでおくことをおすすめします!
絵本の中で使われる、自然な英語=英語のセンスを感覚的に身につけることができます。
バイリンガルでないお父さんお母さんからの語りかけよりも、実はずっと多くの英語のフレーズ+日本人にはわからない細かい微妙な英語のセンスが、自然に身体にしみ込んでいくことが期待できます。
詳しくはこちらの記事をどうぞ↓
どうしても赤ちゃんの脳や日本語の発達への影響が気になる方は…
子どもが単語を覚えるとき、いくつかの原理を利用するといわれています。
その一つが、「1つの事物には1つの名前しかない」という相互排他性の原理があり、乳幼児心理学専門の方の中には、早期に二つの言葉での語りかけは推奨しないという方もいます。
しかし、最新の脳科学的にはどうでしょうか。
TVでよくお見かけする茂木先生の書籍では、早期の英語教育で日本語は育たないという疑問にはNO、英語教育はできるだけ幼いうちから始めたほうが良いと説いています。
赤ちゃんからの英語については賛否両論ありますが、言葉の混乱がとても気になるという方は、以下のような脳科学の専門家の本をお読みになってみると納得できるかもしれません。
朝日新聞のAERA.dotというサイトの記事も参考になります⇊
結論とまとめ
- 0,1歳の赤ちゃんに英語で語りかけ、話しかけはしてもよい
- ただし、愛情とこころを込めて、簡単なフレーズを使う
- 発音は気にしなくてもいいが、間違った英語を使わないために多少の英語のフレーズを覚えておくとよい
- 英語のフレーズ本を片手に語りかけるのはNG。語りかけフレーズや歌が入っているCDを活用するとよい
- きちんと、赤ちゃんの脳や言語発達に影響がないかご自身で調べて納得されてからの方が安心
ぜひぜひ、赤ちゃんの英語耳育てという目的だけでなく、心を通わせる、絆を深めるという目的で英語(ことば)の語りかけを行ってみてくださいね☺