きょんです。0歳親子~高校受験生まで英語を教えていました。
生徒さんたちには自信を持って英語の良さを伝えていましたが、いざ自身の子どもとの英語時間をどのようにすすめていくかを真剣に考える段階になり、だいぶ慎重になっていることに気が付きました。
英語講師としての自分の知識や経験、感覚だけに頼るのではなく、多くの研究者や実践者の方々の知見をお借りして
今の時代に合った、金銭的にも労力的にも負担が少ない家庭での英語時間のプランを練りたいなあ。
と考えています。
10年前にはなかった教材やサービスが、今では無料・安価で簡単に手に入ります。
インターネット、スマホの普及や動画見放題サービス、無数の英語教育系ユーチューバーの台頭…。
こういったサービスや教材を上手に生かす方法を模索しています。
ただ、時代が変わっても変わらないものは、人間の発達やその段階、順番ではないでしょうか。
10年前の赤ちゃんも、現在、10年後の赤ちゃんも、基本的には身体(脳)のしくみは変わらないでしょう。
もちろん今まで研究されてこなかったことが明らかになるということはあるでしょうけれど…。
そう考えると、言語を認識する脳の構造を理解していて、かつ自身がバイリンガルである方の知見をぜひ参考にさせていただきたい!
そう思い手に取ったのがこちらの本。
「5歳までにやっておきたい英語が得意な脳の育て方」
一時、TVのバラエティー番組でよく拝見していた脳科学者の茂木健一郎さんの著書です。
英語でプレゼンされたり著書を書かれているバイリンガルである脳科学者です。
どんな本?
国際的に活躍しているバイリンガル脳科学者が、これからの時代に英語を身に着けておくメリットや、脳科学的にOK、NGな赤ちゃんからの英語教育について書いた本です。
Q&A形式で書かれてありボリュームも少ないため、さらりと読めてしまいました。
目から鱗!といった情報の他、失礼ですがもう聞き飽きたよ~といった情報も多いのです(笑)
ただ、それが子どもの脳のしくみ的になぜなそうすべきなのか…といったことが、脳科学者の立場から補足説明してくれているため、この本を読んで初めて納得できたことも多かったです。
また、英語ができるとこんなに将来の幅が広がるよ!と色々な事例を出して背中を押してもらえるため、英語をやるかどうか迷っているお父さんお母さんはモチベーションアップにもつながるかもしれません☺
本のタイトルが5歳まで、とありますが小学生以上のお子さん向けの家庭での英語環境をつくるコツなどものっています。
後半では、ご本人のケンブリッジ大学留学時代の経験や、ご自身の目で見て感じてきた世界レベルの英語、これからの時代に世界で活躍する人間に育てるスキルなどについて、大変興味深いメッセージを読むことができます。
アマゾンのレビュー書き込みがありませんが、5歳までに…というタイトルのため、ターゲット層が限られているからでしょうか、読者が少ないのかもしれませんね。
この本をおすすめしたい人
- まだ妊娠中、0歳児の赤ちゃんがいる方(5歳までにとあるが、著者は0歳からすすめているため)
- 英語教室の先生や、英語教材販売者の言葉はセールストークのようで信用できないという方
- 昔、英語での子育てを実践した母親の話よりも、最新の脳科学者による正しい知識を付けたいという方
本文中に気になったことの一部抜粋&メモ
子どもに英語教育を押しつけることはしないこと。
中略 子どもには子どもの得意な英語の学び方があるということをお父さんお母さんが知ること。
はじめに
良く言われていることすが、本当にこれが一番怖いこと。赤ちゃんから幼児の時は聴く力が優れていて、話すことに抵抗がない時なのに、無理やりアルファベットを書かせたり文字を読ませたりすることの無駄なこと…。熱心にやるのはいいけれど、非効率的なことはしたくないですね💧
日本語の音の数は英語の音の数のおよそ16分の1程度しかないのです!つまり、もし赤ちゃんが日本語だけの音を聞いて育った場合英語独特の音を聞き取る回路が発達しません。
p20
日英の音の数の違いは初耳でした。生まれたばかりの赤ちゃんの大量の脳細胞(使わなければ減っていく)を刺激しないのはもったいない!
できれば赤ちゃんの頃から聴かせて、脳の中に英語の音を聞き分ける回路をつくってあげたいですね。
(早い段階で英語に触れることで日本語の習得が不完全になる、日本語での論理的思考が未発達になるかどうかという問いに対して…)
「まったく問題ありません!」これが、脳科学者としての私の意見です。
p23
もう、この一言を聞けただけで満足でした(笑)
確かに、世界中に多数存在するバイリンガルの人、いわゆるハーフの方々は混乱してますか?って話です。ちなみに茂木先生は、子どものアイデンティティの形成や確立においても、なんの問題もないとも言っています。
その他、私の読書メモ
- 脳の回路というのは、いわばピラミッドのように積み上げ式になっている。小さい子どものうちから英語に触れれば触れた分だけ、しっかりとした土台ができあがる。
- 言語習得には「文脈」が大事。子どもの言語習得には、生身の人間が目の前にいることが大事。ライブ感、生の会話のやりとり、臨場感こそが子どもの脳への刺激となる。(映像、ビデオチャットだけでは発音の習得がうまくできない)
- 脳の基礎が8割完成する5歳までに子どもの脳にドーパミン・サイクルを育てることで、遊んでいる感覚で何事も集中して取り組める(楽しいうれしい→ドーパミンが出てまたやりたくなる)
- 言語処理を行う脳の一部ブローカー野では、音楽と言語を同じものととして処理しているから、英語を音楽として楽しむとよい(1~2歳)
- 子どもの顔を見ながらゆっくりとはっきりと英語で話しかけて1日4単語ペースで覚えることを目標にする(ハイレベルを目指すなら)
- 教材は、子どもの発達段階をよく考慮して厳選されているクオリティの高い教材を使う。海外の子どもやプレスクール、バイリンガル幼稚園で使われているもの。
- お風呂でことば遊びをすると、脳内の副交感神経が刺激され、新しい情報を受け取りやく、さらに記憶が残りやすい。
おわりに
赤ちゃんのうちから英語を学ぶメリットが、英語教室や教材のセールスマン並みの熱量(笑)で書かれているため、早期英語教育に反対しているご家族の方に納得していただく材料として活用できるかもしれません!
子どもの英語教育中に、何度も読み返したいと思った本でした。
赤ちゃん~幼児さんからの英語教育についてご興味があれば、ぜひ一度お読みになってみてください。
Thank you.